株式会社松永製作所 様 MVV策定編

ミッション・ビジョン・バリュー

策定インタビュー

【写真】右:専務取締役 河野 譲ニ 氏 / 左:社員 大村 昇 氏


策定


背景・課題

・創業から53年間、社長や会社の想いを従業員に伝える文化がなく、従業員からは方向性や評価基準が不明確だという声が上がっていた。

・専務である自分と同じ30代の社員が増えたことから「今こそ変える時だ」と考え、組織を見直すためにMVVの策定に取り組むことを決意した。

・「ものづくり」「町工場」という職業の人気の低さに悩み、会社の理念を発信し、共感する人材を採用するためにMVVの策定が必要だった。

・毎日の仕事で、どのように動き、どう考えるべきかが明確になり、意思決定がスムーズになった。

・一日の終わりに自分の行動がMVVに沿っていたかどうかを振り返る時間が生まれ、自己評価と改善が促進された。

・採用や事業、組織作りにおいて、会社の個性を具体的かつ効果的に活かすことができるようになった。


会社紹介

1971年に旋盤工として独立した先代が創業した松永製作所は、船舶油圧機器や食品機械の設計製作など、様々な挑戦を経て成長してきました。現在は福岡市で自動化・省力化装置の設計製作を中心に、単品部品や制御盤の製作、装置の改造工事などを行っています。従業員27名の小さな町工場ながら、創業53年目の「一品一様」の精神で高品質なモノづくりにこだわり続けています。

なぜミッション・ビジョン・バリュー
を策定することになったのか?

ミッション・ビジョン・バリューを策定することになった理由は、3つあります。まず、創業から53年間、社長や会社の理念を従業員に伝える仕組みがなく、方向性や評価基準が不明確だという声が上がっていたことです。次に、私と同世代の社員が増えたことから、「今こそ変革のタイミングだ」と考えたからです。最後に、ものづくりや町工場という業界が人気を集めにくい現状を踏まえて、今後の採用や組織作りにおいて、弊社に共感してくれる人材と共に働きたいという思いがありました。これらの理由から、ミッション・ビジョン・バリューの策定を決めました。

策定中の気づき

ミッション・ビジョン・バリュー策定のために会社や社員、自分自身のことを改めて考えてみると、よく理解していないことに気がつきました。この気づきがあったからこそ、会社や社員、自分自身について深く学ぶ必要があると感じました。

策定中の苦労話

普段あまり使わない部分の脳をフル稼働させたことが一番大変でした。ミッション・ビジョン・バリューを策定するために、自分自身や会社のことを、過去から未来にかけて深く考え、全員が理解しやすく使いやすい表現に置き換える作業は、非常に難しかったです。

株式会社松永製作所のミッション・ビジョン・バリューについて

ミッション:世界に1台を作る

日本には約20万の製造工場、約10万の物流拠点、約20万の食品工場があると言われています。そのような中で、祖父が53年前に旋盤工として独立し、創業したのが松永製作所です。創業以来、「一品一様」のものづくり精神を貫き、時代が量産を求めても、その軸がブレることはありませんでした。

その後、時代は大量生産・大量消費から、独自性が求められる時代へと変化しました。「世界に1台」の装置を創り出し、新しい価値を提供する。これこそが顧客や社会に対する私たちの使命だと再認識しました。これからも私たちだから作れる唯一無二の装置を作り続けていきたいと思います。

ビジョン:100年「良し!」

ビジョンは「100年『良し!』」です。これは、私たちが掲げる「世界に1台を作る」というミッションの最初の到達点だと考えています。

一般的に装置の寿命は約15年です。しかし、私たちは100年間稼働し、100年間評価され続ける装置を作りたいと思っています。また、装置だけでなく、会社や従業員も100年にわたり「良し!」と評価されるような組織を目指していきます。

100年間にわたって信頼され、支持される企業を築くことが私たちのビジョンです。

ビジョン:100年「良し!」

バリュー:

・ベタ生レスポンス

「ベタ生」という言葉は、福岡にある「元祖 長浜屋」というラーメン屋の提供スタイルから取った言葉です。「ベタ生レスポンス」には、迅速に提供される「元祖 長浜屋」のラーメンのように、常に準備を怠らず、スピード感を持ってお客様に最善の提案をお届けしたいという思いが込められています。

・1日3職

自分の役割や専門分野に縛られずに、他の工程や部署の仕事にも興味を持つ姿勢を大切にしてほしいという思いから、「1日3職」という言葉をバリューにしました。幅広い視野を持ち、さまざまな業務に積極的に携わることで社内の協力体制を築いていきたいと思います。

・最初はグー

これまで私たちの会社は、社員間のコミュニケーションが活発とは言えませんでした。そこで、一日の始まりにグータッチを取り入れ、気軽にコミュニケーションを交わせる雰囲気を作ろうと考えました。それが「最初はグー」です。職場の雰囲気を明るくし、社員同士のつながりを深めていきたいと思います。

・家族のヒーロー

日本で働く人の約半数が、自分の仕事に誇りを持っていないというデータがあります。しかし、松永製作所で働く従業員には、仕事に誇りを持ち、家族のヒーローになってもらいたいと思っています。そんな思いを込めて「家族のヒーロー」をバリューにしました。

・出来ろうもん

「出来ろうもん」とは、博多弁で「俺たちは出来る」という意味です。難しい課題に直面した時も、諦めることなく「出来ろうもん」という強い意志を持って取り組んでいきたいと考えています。

コンセプト:「Factory Adventure」

従業員全員が冒険のようにワクワク、ハラハラ、ドキドキしながら、楽しみつつ装置作りをしてほしいという思いから「Factory Adventure」をコンセプトに掲げました。

ミッション・ビジョン・バリュー策定後の変化

ミッション・ビジョン・バリューを策定したことにより行動や意思決定の軸が明確になりました。毎日の仕事において、どう動くべきか、どう考えるべきかを意識するようになりました。また、一日の終わりに自分の行動がミッション・ビジョン・バリューに沿っていたかどうかを振り返る時間ができたことも、自分自身にとって大きな変化です。

Singerlyのミッション・ビジョン・バリューの魅力

Singerly流のミッション・ビジョン・バリュー策定の特徴は、誰もが使いたくなるような言葉を、巧みに選び出す点にあると思います。また、約1年間の策定期間中、Singerlyさんの学ぶ姿勢が印象的でした。そのような姿勢は、自分にとって貴重な学びでした。

ミッション・ビジョン・バリュー策定を検討されている企業様に向けて 

ミッション・ビジョン・バリューを策定すると、自分の行動指針や会社の進むべき方向が明確になります。個性を最大限に活かしながら、採用や事業、組織作りに取り組めることがミッション・ビジョン・バリュー策定の大きな魅力です。


株式会社松永製作所
ミッション・ビジョン・バリュー

New Posts

新着記事